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残酷で痛々しい物語『愛を読むひと』
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ベルンハルト・シュリンクの「朗読者」の映画化『愛を読むひと』を映画の日に観てきました。原作を読んで大泣きしたこの作品。私の「読んで大泣きした小説ベスト10」に入ります。1位は大好きなジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」。これまた大好きなミラ・ナイール監督が映画化しましたが…。小説を原作にした映画は読者の頭の中にイメージが出来上がってしまっているので、難しいですね。映画の『その名にちなんで』では涙は一滴もこぼれませんでした。なので期待せずに観ましたが、さすが! オスカーを獲ったハンナ役のケイト・ウィンスレットのハンナは力強く、デビッド・クロスのマイケルは繊細で原作との違和感は無く観られました。15歳のマイケルと36歳のハンナとのラブストーリーでもありますが、それだけでは無く、第二次世界大戦後のドイツという舞台、ハンナのどうしても隠し通したかった秘密など「しょうがない」ことに翻弄された痛々しい2人のおはなしです。映画デビュー3作目にして全作がオスカー候補になったスティーブン・ダルドリー監督は『めぐりあう時間たち』に続き時系列を上手く操り、中年になったマイケルと少年の頃のマイケルを描き出します。一人の男の人生にこんなにも影響を与えたハンナという女性は、同性としてちょっと羨ましくもあり、彼女が自分に課したルールに納得できなくもあり、彼女の生き方が分からなくもなく…。悲しい結末ではありますが、最後まで自分のルールを貫いたハンナという女性は強く、気高さすら感じます。そんな女性への愛情と憎しみにまみれちゃったマイケルは、苦痛にのたうち回る気の毒な男なのでした。原作のマイケルからハンナへの置き手紙を巡って2人が喧嘩するシーンが印象に残っていたのですが、映画では出てきませんでした(そんな場面、ありませんでしたっけ?)。世の中「しょうがない」ことばかりだけれど、「しょうがない」では済まされないことは沢山あります。(2009年公開作品/原題 The Reader)

星は3つ。★★★☆☆
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by aiko_kiz | 2009-07-01 21:36 | DRAMA
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主に「映画のおはなし」と時々「にがおえ」 Blah! Blah! Blah!
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