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ブリーと息子のロードムービー『トランスアメリカ』
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自身もゲイであることをオープンにしているダンカン・タッカー監督が、同じくセクシュアルマイノリティである性同一性障害の男性を主人公にして描いた映画『トランスアメリカ』を観ました。主人公のブリーを演じたのはフェリシティ・ハフマン。「え〜!これがドラマ『デスパレートな妻たち』のリネットなの!?」と思ってしまうほど、ナチュラルに元男性を演じています。LAに住む性同一性障害のブリー(フェリシティ・ハフマン)。長い間、理解の無い家族、そして理解の無い社会に苦しんで来ました。整形手術やホルモンの投与で外見は女性らしくなりましたが、まだ体は完全に女性になれてはいません。しかし、念願叶って来週ついに性転換手術を受けることが出来る事に。そんなある日、NYの警察から「スタンレー(ブリーの男性名)の息子トビー(ケヴィン・ゼガーズ)が拘置所にいる」と電話があります。自分に子供が居るなんて全く知らなかったブリーですが、トビーの母親の名前を言われて思い当たる節が…。唯一の友人である精神科医のマーガレット(エリザベス・ペーニャ)に薦められてしかたなく、ブリーはNYにまでトビーに会いに行きます。身分を隠してトビーに近づいたブリーでしたが、NYで男娼として荒れた生活を送るトビーに驚き、「ポルノ映画に出たいからLAに行きたい(!)」というトビーの希望もあって2人は車でLAまで旅する事になります……。すごいのはフェリシティ・ハフマンの元男性だった女性の振る舞い。もう「喉仏」は無いのにも関わらずいつも首にスカーフを巻き、足を隠し、伏し目がちで自信の無い態度をとり、女性以上に女性らしい振る舞いに見えてしまうブリーを見事に演じています(フェリシティ・ハフマンはこの役で第78回アカデミー賞主演女優賞にノミネート)。この映画が描いているのは、性同一性障害で苦しんできた一人の中年元男性と、母親に自殺され継父からは性的虐待を受け苦しんできた一人の少年という、「自分らしく生きてこれなかった」2人の人間のおはなし。「性同一性障害」や「同性愛」といった扱っているものはシリアスですが、終始シリアスな訳では無く、しかたなくブリーの実家を訪れるシーンはユーモラスで笑えます(ブリーの母親のキャラクターは監督の母親そのものなんだとか…)。状況は違えど、共に「自分らしく生きれなかった」ブリーとトビー。いきなり家族にはなれなくてもラストシーンでは2人の間に友情の芽生えが感じられるし、手術後に胸を張って働くブリーの笑顔にホッとする、後味の良い映画です。どんな人間にも隠し事はあるのは当たり前。そして、世の中いろんな人がいるのも当たり前。(2006年公開作品/原題 Transamerica)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-02-25 23:16 | DRAMA
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