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カテゴリ:DRAMA( 91 )
それでも飛ぶよ『マイレージ、マイライフ』
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映画館で見逃していた『マイレージ、マイライフ』を、『(500)日のサマー』に続き「ららぽーと豊洲映画祭」で観て来ました。初めてジョージ・クルーニをチャーミングに感じた前評判通りの映画(まさにハマり役)。リストラの際にする解雇通告の代行をする会社で働くライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニ)。1年のほとんどを出張先や飛行機の中で過ごし、見知らぬ人に解雇通告をして回る生活。でもライアンはそんな毎日を気に入っており、ささやかな夢はまだ数人しか達成していないという航空会社のマイレージを1000万マイルをためる事。そんなんで、いい歳してもまだ独身。出張先で知り合ったアレックス(ヴェラ・ファーミガ)とはいい感じだけど、真剣に付き合う女性もいません。ある日、大学を主席で卒業した小娘新入社員、ナタリー・キーナー(アナ・ケンドリック)が会社にある提案を。出張で社員を現地に向かわせなくても、オンラインで解雇通告をすればいいというアイデア。自分のお気に入りの「出張生活」を壊されることにライアンは危機感を覚え、社長に反対意見をすると、「ライアンの仕事がどんなものかナタリーに見せろ」と出張にナタリーの同行を命じられます……。今じゃ、誰も笑って見られない「リストラ」を扱った映画…。実際のリストラ経験者に体験を語ってもらったシーンを使っていることで話題になりましたよね。エンディングには実際にリストラされたことでミュージシャンになったケヴィン・レニックのゆる〜いリストラ・ソング。手放しのハッピーエンドではありませんが、ユーモアがありながら、心にじんわりして、観終わった後に自分の事を顧みてしまうような、そんな映画です。解雇通告をするだけでなく、時にはその人の側に立った適切なアドバイスをするライアン。シェフになることが夢だった男(J・K・シモンズ)へする解雇宣告のシーンがとっても印象的でした。そしてナタリーに言われた事で「ハッ」とし、アレックスに会いに衝動的にシカゴまで行くシーンが切ない…。こんな事は若い時には出来るけど歳を取っちゃったら中々、出来ないのよ。思い切ってそこまでしたのに〜!と、観ているうちに完全にライアン・サイドに立ってしまい、心底ガッカリ。ツィッターでエンディング論争なんかが起こったみたいですが、私は「それでも地球は回るんだよね〜」という解釈(ライアンは仕事辞めないよね?)。ジェイソン・ライトマン監督の映画を観るとその後「ふむふむ…」になりますね。(2010年公開作品/原題 Up in the Air)

星は4つ。★★★★☆

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by aiko_kiz | 2010-10-28 23:11 | DRAMA
がんばれ!海洋探検団『ライフ・アクアティック』
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ビル・マーレイがかわいらしい『ライフ・アクアティック』を観ました。ウェス・アンダーソン監督は好きなのに『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』と『ダージリン急行』くらいしか観てなかった…。スティーヴ・ズィスー(ビル・マーレイ)は海洋探検家。海洋ドキュメンタリー映画の監督でもあります。かつて撮った映画はヒットしましたが、最近はさっぱり。資金繰りにも困っています。おまけに妻エレノア(アンジェリカ・ヒューストン)との関係も冷め気味。そんな時にスティーヴの映画撮影隊“チーム・ズィスー”のメンバー、エステバン(シーモア・カッセル)がジャガーシャークに食べられてしまいます。復讐を誓ったスティーヴはジャガーシャークを追う映画の製作を計画。ちょうどそんな頃、スティーヴの息子かもしれないエア・ケンタッキーの副操縦士ネッド・プリンプトン(オーウェン・ウィルソン)が現れます。ネッドに母親の遺産を映画に出資してもらうことになり、無事にジャガーシャークを目指して“チーム・ズィスー”のベラフォンテ号は出航しますが……。架空のカラフルでカワイイ海の生き物。ストップモーションでの動きもなんだかカワイイ(アニメーションを担当したのは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督)。ウェス・アンダーソンらしい、画面の隅から角まで凝った画作りや独特のカメラワーク。ちょっとおかしな登場人物、そんな登場人物のコスチューム、ベラフォンテ号の内部(あの断面図!)、アリスターの別荘に研究所、そして音楽もユーモラスで楽しい。この独特の雰囲気が大好き。一秒たりとも目を離したくない映画です。途中から急にアクションめいてきたりする、へんてこなストーリー。今年のハロウィンにもし仮装するなら“チーム・ズィスー”のユニフォームが着たいです。どうやら最新作の『Fantastic Mr. Fox(原題)』も日本公開が決まったみたいだし、次は『天才マックスの世界』を観よう。(2005年公開作品/原題 The Life Aquatic with Steve Zissou)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-10-24 23:33 | DRAMA
母の想い、姉の想い、妹の想い『私の中のあなた』
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原作を読んで公開を楽しみにしていたのに、映画館で観ないまま終わってしまった『私の中のあなた』をやっと観ました。原作を読んで大泣きした記憶はあるものの、もうだいぶ前のことなので細かい内容はすっかり忘れてしまった状態で鑑賞。白血病の姉ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のドナーとなるべくデザイナーベイビーで生まれたアナ(アビゲイル・ブレスリン)。アナの家族は大病を抱えるケイトを中心に、消防士のパパ(ジェイソン・パトリック)、元弁護士のママ(キャメロン・ディアス)、ジェシー(エヴァン・エリンソン)の5人家族で仲良く暮らしています。しかしある日、アナはケイトのドナーとしてこれ以上自分の体を傷つけられることを拒否するべく、敏腕弁護士のキャンベル・アレクサンダー(アレック・ボールドウィン)を雇い両親を相手に訴訟を起こします……。訴訟を起こすために行動するアナと、衰弱して行くケイトの回想で映画は進みます。ブロンドの姉妹、幸せそうな家族、家族愛、姉妹愛、兄妹愛…難病を抱えながらも懸命に生きるケイトの瑞々しい10代の感性、ケイトの初恋、そして淡い色彩の美しい映像…。泣きたい時に観るべき映画。でも、原作ではお兄ちゃんがもっとグレてたり、亡くなるのはケイトじゃなくてアナだったりということは覚えており、この2点はこの「号泣ストーリー」に深みを与えている点だったのに、どうして変えちゃったのかが疑問…。それでも充分泣けるんですけどね。原作読んだ直後に観てたら、たぶんすごい不満だったと思いますが(もうほとんど忘れちゃった〜)。公開時にはキャメロン・ディアスの初の母親役やスキンヘッド(特殊メイクだけど)が話題に。最近のキャメロンってあんまり好きじゃなかったのですが、この役はすごく良かったと思う。小じわまで役にピッタリ。イタいロマコメなんかよりも、もっとこういう役をやって欲しい(かなり上から目線)。そしてジョーン・キューザックはいつもステキだなぁ。私はドラマ「ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュボア~」を1stシーズンから観ているので、長女アリエル役を演じているソフィア・ヴァジリーヴァが大好き。「ミディアム」のアリエル(1stシーズンでは12歳。コドモのくせに妙に色っぽいんだよね)が大きくなって、こんな難しい役をやるなんて…涙。でもこの映画の撮影のおかげで4thシーズンでは、ほとんど大好きなアリエルが出て来なかったんだよね。ちっ。(2009年公開作品/原題 My Sister's Keeper)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-10-06 23:14 | DRAMA
ジュリアが大きな口で『食べて、祈って、恋をして』
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世界的にベストセラーになった作家エリザベス・ギルバートのエッセイ「食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書」が原作の『食べて、祈って、恋をして』を観ました。きっと男性は楽しめないだろうなぁという映画。35歳のリズ(ジュリア・ロバーツ)はNYに暮らし、ライターとして世界中に取材で飛び回る毎日。自分でインテリアコーディネイトした家に夫のスティーブン(ビリー・クラダップ)と暮らし、周りから見れば幸せそうなカップル。でもある日リズは、自分の結婚生活に疑問を感じ始め、スティーブンと離婚する決心をします。家を出たリズは離婚調停中にも関わらず、今度は年下の売れない役者デヴィッド(ジェームズ・フランコ)と付き合い始めますが、自分が今まで恋愛体質でほとんど自分と向き合った経験が無いことに気がつき旅に出る事に!友人のデリア(ヴィオラ・デイビス)に「女子大生じゃあるまいし!」と言われながらもリズはイタリア語を学びにローマに、グルに会う為にインドに、取材で会った薬療師に再び会いにバリ島に1年間の旅に出ます…。旅をする映画だけに、どの土地も魅力的に描かれています。美味しそうなイタリア料理、カラフルなインド式結婚式、そしてバリ島の豊かな自然…(あ〜旅行したい!)。そしてそんなステキな土地で、大きな目に涙を浮かべ、大きな口でゲラゲラ笑い、長い足でペダルをこぐジュリアは、相変わらずとってもチャーミング。昔から密かにファンなので、そんなジュリアを観れただけで私にとってはある程度満足。原作の大ファンだというジュリアはリズをイキイキと演じています。でも、どうしてもジュリア演じるリズが35歳には見えない!どうがんばっても、私と同じ学年の女子には見えないよ〜。無理〜。なので35歳の女子ならまだ「こういう事しちゃうよね。こういう時ってあるよね。うん、うん、分かる、分かる」といったこの映画の一番大事な「共感要素」が、私には「いい歳して何やってんの?」にしか見えず…、残念なことになってしまいました。同じく自分探しでドタバタする“この手”のアラサー女子共感型映画に『ブリジット・ジョーンズの日記』がありますが、私はブリジットは大好き。でも、ブリジットは好きなのにリズはあんまり好きになれないのは、ジュリアが35歳に見えないという以外に、NYのステキな家に大して問題が無い(ように見える)夫と住み(離婚の原因がイマイチ理解できない)、ライターとして充分成功しており、自分自身を見つめる機会が無かったのはいつもオトコがいた(=モテる、この映画だけでもビリー・クラダップ、ジェームズ・フランコ、ハビエル・バルデムだよっ!)からで、思いつきでパッと1年間休暇を取り旅行に行ける謎のお金があり(離婚で全財産失ったハズなのに…親からの援助?)、どこにいってもその土地にすぐ問題無く馴染めるから…ですかね? (どこに共感要素が?!)たぶん、原作には書かれていたのに映画ではカットされた要素がたくさんあるんでしょうけれど…。『ブリジット・ジョーンズの日記』の様な映画かな?と思って観に行くと、ちょっと肩すかしをくらうかも。でも、この映画のタイトルはとっても分かり易い!この映画はジュリアがイタリアで食べまくり、インドで瞑想し、バリ島で恋に落ちる。というだけの映画です。好きなセリフはリズの友人デリアの(ヴィオラ・デイビス)の「子供を持つ事は顔にタトゥーを入れるのと同じ位、勇気が居る事なのよ」。(2010年公開作品/原題 Eat Pray Love)

星は3つ。★★★☆☆(ジュリア・スマイルで+★)

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by aiko_kiz | 2010-10-05 00:17 | DRAMA
行動した男と家族の愛『サルバドールの朝』
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スペインの反政府活動家だった実在する人物、サルバドール・プッチ・アンティックが25歳で死刑が執行されるまでの実話を描いた『サルバドールの朝』。このサルバドールはスペインで最後に死刑を執行された2人のうちの1人であることで有名な人物らしいです。悪名高いフランコ政権末期のスペイン、サルバドール(ダニエル・ブリュール)はかわいいGFのクカ(レオノール・ワトリング)がいる普通の青年ですが、一方で「世の中を変えたい」という強い思いから反政府組織 MIL(the Movimiento Iberico de Liberacion)に参加、活動にのめり込みます。「自分たちは絶対につかまらない」という根拠の無い自信で、仲間と銀行強盗をして活動資金にあてる日々。しかし指名手配されたMILのメンバーは、ひとり、またひとりと警察に捕まり、サルバドールにも警察の手が。追いつめられたサルバドールは警官たちともみ合ううちに、自分も大怪我を負いますが、警官をひとり射殺してしまいます……。実話が元になっているので、サルバドールが死刑になるのは分かっていること。刑務所で弁護士アロウ(トリスタン・ウヨア)に自分の過去を振り返る形でお話は始まります。正直、フランコ政権がどんなもんだったのか、歴史的なことはあんまり知らず…。もちろん、サルバドール・プッチ・アンティックがどんな人物だったのかも知りません。でも映画を観る限り、申し訳ないけどサルバドールには共感できないなぁ…。目を背け沈黙するよりも行動を起こしたことは立派だと思いますが、やり方が…。看守に「お坊ちゃんの革命ごっこ〜」みたいなことを言われるシーンがありましたが、確かにそんな風に言われてしまうのは、しょうがないかも。でもだからって、それと大した調査もせずに見せしめ同然に死刑にするのは!おまけに死刑のやり方にビックリ!前日にほいほいっと、木材とネジで作ったような代物で…(ガローテというらしいです)。サルバドールの若さ故の理想や無謀さは『イントゥ・ザ・ ワイルド』のクリス・マッカンドレスを連想。たぶん、生まれてくる時代がもっと遅かったら、普通にいい青年で世の中のために役立つ様な職業に就いて普通に生活してただろうに…。それにしてもMILの人たち、ちょっと脇が甘過ぎる…。自分の本物の免許証で借りたレンタカーで強盗したり、サルバドールは自分のIDやその他活動に大事な物が入ったカバンをゲームセンター(?)に忘れて来るって、どういう事よ?? 死刑を扱った映画なのに、結構カッコいいシーンや音楽が多いのが新鮮。それと、オープニングとエンディングの本物のニュース映像が印象的でした…。彼の死刑後スペインの人々が政治に興味を持ち始め、スペインは変わり、サルバドールの家族は今でも正しい裁判が行われることを願い再審請求しているんだそうです。(2007年公開作品/原題 Salvador)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-09-16 23:11 | DRAMA
焼け野原で必死に生きる『夜の女たち』
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今年も終戦記念日が過ぎました。いろんなTV番組で第二次世界大戦なんかの特番をやっているのを見て、ふと古い映画を観たくなり、近所のツ○ヤの「なつかし映画」コーナーで借りたのが『夜の女たち』。溝口健二監督作品です。邦画を観る機会はあまりないのですが、前にTVでたまたま観た『サンダカン八番娼館 望郷』に衝撃を受け、田中絹代の若い頃の作品を観てみたくなりました。戦後の大阪、空襲で家を失った房子(田中絹代)は小児結核の息子を抱え、夫の実家で肩身の狭い思いをしながら夫の復員をじっと待っています。しかし、夫は戦死しており、最愛の一人息子も結核で亡くしてしまいます。夫の実家に居られなくなった房子は、夫の友人の務めていた商社の社長、栗山(藤井貢)の下心のある好意で秘書として働き、一人暮らしを始めます。そんな頃、義妹の久美子(角田富江)と出かけた先で行方の分からなかった妹、夏子(高杉早苗)と偶然に再会。和装で地味な房子とは対照的に、ダンサーとして働く夏子の華やかさに、久美子は憧れます。房子のアパートに転がり込んで来た夏子。それがきっかけで、夏子は姉の上司である栗山と関係を持つように。しかしまた、房子も栗山との関係は社長と秘書というだけではなく、お妾さんでもあったのでした。夏子と栗山の関係を知った房子は家を飛び出し、「夜の女・パンパン」として生きる事を選択します……。日本の敗戦後のタフで悲しい女性たちのお話。観た後に号泣しすぎて体調不良になってしまったほど。房子が「夜の女」として生きる理由を「世の中の男という男たちと寝て、梅毒を感染して復讐してやる!」と言い放つセリフが印象的。房子は妹に男を寝取られたことがきっかけで、全ての原因は「世の中の男」にある!という答えを出したんですかね。まぁ、戦争を始めたのも「男」、こんな世の中にしたのも「男」、夫を奪ったのも息子を奪ったのも元を正せば「男」が悪い。そんな世の中の「男」への逆襲。でもそれは、身を削り心を削りとても大きな犠牲を払わなければいけない訳で、キレイごとは言ってられない、それはそれは壮絶な選択です。3人の不幸な女を描いたこの作品、溝口健二監督作の中ではあまり評価がよろしく無い(?)ようですが、他の作品を観た事が無い私には単純に田中絹代に圧倒されっぱなしの75分で、ラストシーンは大迫力。でもしみじみ考えると、この時代と比べて女性の社会進出が進み、女性の立場は格段に良くなったけれど、根本的には現代の女性の立場もそんなに変わらないんじゃないかと思ってしまいました…。個人的にはこの時代の女性の服装やヘアスタイルも興味深く「この時代って、本当にみんなサザエさんみたいなヘアスタイルだったんだ!」と感動。古い作品なので、聞き取りにくいセリフも多く、画質も悪く、映像も乱れます。これよりも古い『カサブランカ(1946)』や同じ頃に作られた『フィラデルフィア物語(1948)』がもっとキレイな画質や音質で残っていることを考えると…やっぱり戦争には負けちゃうよねぇ、としみじみ(いつも古い映画を観るといつも同じ事を思う…)。次は溝口健二監督では『西鶴一代女』、『祇園の姉妹』や遺作となった『赤線地帯』を観たいのだけれど、また(泣き過ぎて)調子が悪くなるかも…と思うと、なんだか気が引けてしまいます。(1948年公開作品)

星は4つ。★★★★☆

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by aiko_kiz | 2010-08-20 23:18 | DRAMA
18つの花の都パリのおはなし『パリ、ジュテーム』
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3月に観た『ニューヨーク、アイラブユー』の前作的な映画『パリ、ジュテーム』を観ました。まるでパイ生地が何層にも重なり合って美味しくなるミルフィーユのような映画。お話の数はNYが11つだったのに対してパリは18つと多め。でも全部5分程度なのでとてもテンポはいいです。パリの20区のうちの18区が舞台。パリは1度しか行ったことがなく、NYよりも地名を聞いてもどんなところかピンと来ない…(NYにだって行ったこと無いんですが)。そこが東京で言う麻布なのか浅草なのか新大久保なのか…が分かれば、もっと楽しめたのかな。とは思いました。でも、知らなくても十分心にじ〜んとくるアムール溢れるおはなし18つ。全体的にNYよりもブラックユーモアやウィットに富んでいる印象。NYでは日本人監督では岩井俊二(『Love Letter』)が参加していましたが、パリでは諏訪敦彦(『M/OTHER』)が参加。どれも印象深いお話なのですが、わたしのお気に入りはグリンダ・チャーダ監督(『ベッカムに恋して』)のスカーフを巻いた移民のイスラム教徒の少女(レイラ・ベクティ)と高校生の少年(シリル・デクール)の淡い恋物語「セーヌ河岸」、ジョエル&イーサン・コーエン監督(『ノーカントリー』)の一人旅のアメリカ人観光客(スティーヴ・ブシェミ)の災難「チュイルリー」、ウォルター・サレス監督(『モーターサイクル・ダイアリーズ』)のベビーシッターとして働く移民の若い母親(カタリーナ・サンディノ・モレノ)の切ない「16区から遠く離れて」、アルフォンソ・キュアロン監督(『トゥモロー・ワールド』)のただ道を歩くおっさん(ニック・ノルティ)と若い女(リュディヴィーヌ・サニエ)の会話だけの「モンソー公園」、オリヴァー・シュミッツ監督(『マパンツラ』)のホームレスの男(セイドゥ・ボロ)と新米救急隊員(アイサ・マイガ)の悲しい「お祭り広場」、トム・ティクヴァ監督(『パフューム ある人殺しの物語』)の盲目の少年トマ(メルキオール・ベスロン)とアメリカ人新米女優フランシーヌ(ナタリー・ポートマン)のフレッシュなラブストーリー「フォブール・サン・ドニ」。特にお気に入りなのは、ただニック・ノルティとリュディヴィーヌ・サニエが歩きながら会話しているだけの「モンソー公園」。始め、この2人の関係性も、話しに出て来るギャスパールという名の男が何者なのかも全く分からず…「???」に。でも最後に気持ちの良い「な〜るほどね!」がやって来ます。でも個人的には犬のフンだらけのパリなのに「犬の出演」が全く無く、「犬の存在」が感じられたのが一番最後のアレクサンダー・ペイン監督(『サイドウェイ』)+マーゴ・マーティンデイルの「14区」だけだったのが、かなり不満。パリでは地下鉄にも犬と乗れるのに!(2007年公開作品/原題 Paris, je t'aime)

※パリにもNYにも出演したナタリー・ポートマンは次回の上海にも出演するんですかね?

星は4つ。★★★★☆

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by aiko_kiz | 2010-06-28 23:39 | DRAMA
フリン神父は何をして何をしなかったのか…『ダウト〜あるカトリック学校で〜』
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第81回アカデミー賞では主演女優賞(メリル・ストリープ)、助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)、助演女優賞(エイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィス)、脚色賞と4部門もノミネートされた『ダウト〜あるカトリック学校で〜』。この映画の脚本・監督のジョン・パトリック・シャンリーの戯曲で、トニー賞と、ピューリッツアー賞を同時受賞して話題になった舞台『ダウト - 疑いをめぐる寓話』の映画化。劇作家、脚本家に監督までやっちゃうシャンリー監督は私の好きなシェールの『月の輝く夜に』の脚本も手がけています。ある1人の「疑惑(Doubt)」から浮き出される人間の芯…。ケネディ大統領が暗殺された次の年のブルックリン(NY)にあるカトリック学校が舞台。ボールペンの使用も禁止する厳格なシスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)は生徒から恐れられる校長先生。それとは逆に、進歩的で柔軟なフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)は生徒からの人気者です。ある日、まだ若く熱心な新米教師シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)は学校初の黒人の生徒でフリン神父の礼拝で侍者を務めるダニエル(ジョセフ・フォスター二世)がフリン神父に会った後の様子がおかしかったことなどから、ちょっとした疑問を持ちシスター・アロイシアスに報告します。シスター・アロイシアスはフリン神父を呼び出し、何があったのかを問いただします。事情が分かりスッキリしたシスター・ジェイムズとは違い、フリン神父の言うことを信じないシスター・アロイシアス。シスター・アロイシアスはフリン神父とダニエルとの“不適切な関係”を強く疑い始め(ホントに今でも神父の子供への性的虐待は多いみたいだからね…)、その疑いはやがて証拠もないのに確信に変わって行きます。そして、ダニエルの母親であるミラー夫人(ヴィオラ・デイヴィス)を呼び出したシスター・アロイシアスはミラー夫人の口から衝撃的な事を聞かされ……。観ていてとてもイライラしました。信念の女をいやらしく演じたメリル・ストリープの「首を締めてやりたい!」と(いろんな意味で)何度思ったことか(上手過ぎるメリル・ストリープ。途中で小賢しく思えてきちゃった…)。その反面、同じ神に仕える者でありながらも女性だというだけで弱い立場に疑問も…。堅物鉄女シスター・アロイシアスと、表向きはにこやかだけど、ちょっとうさん臭くもあるフリン神父の対決(どうでもいいけど、爪は切った方がいいぞ)。その間をオロオロする瞳がキレイなシスター・ジェイムズ。そして、当時のアメリカの影を象徴するミラー夫人…。4人の人間が体当たりする様は観ていてとても胸が重くなります。フリン神父はやったのか or やってないのか、何が正しくて何が間違っているのかを考えると、考えがグルグルグルグル回り続けてしまいます。私が一番印象的だったのはダニエルの母親のミラー夫人。黒人であり、弱い立場にある女性であり、息子を忌み嫌い殴る夫を持ち、おまけに息子は…。親として息子に少しでもいい学校を卒業させたい、大学に行かせたい、自分以外の保護者が欲しい、息子のためになるならキレイごとなんて言ってられない!という状態は想像を絶するほど過酷だろうなぁ。このミラー夫人とシスター・アロイシアスのシーンはこの映画の最大の見せ場かも。フリン神父を追放したことでシスター・アロイシアスが背負った“罪”に泣き崩れるシーンに涙。そしてまた、グルグルグルグル考えるのです…。(2009年公開作品/原題 Doubt)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-06-21 23:57 | DRAMA
もうひとつのバックマン家の人々『レイチェルの結婚』
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アン・ハサウェイがアカデミー主演女優賞にノミネートされた(その年の主演女優賞はケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』)『レイチェルの結婚』を観ました。女優としての力量を示しノミネートされただけあって、さすがアン・ハサウェイの元薬物中毒者の(いろんな意味で)痛々しいキムは印象的。おまけに『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』以降あまりパッとしていなかった(らしい)ジョナサン・デミ監督の久しぶりにパッとした作品でもあります(たぶん)。薬物中毒者のリハビリ施設から姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)の結婚式の為に里帰りしたキム(アン・ハサウェイ)。久しぶりに戻った実家は、姉がウェディングプランナーに任せず、全て自分と友人たちとで結婚式の準備をしているために多くの人で大にぎわい。父親ポール(ビル・アーウィン)が暖かく迎えてくれるものの、どこかギクシャク。レイチェルの親友エマ(アニサ・ジョージ)は露骨にイヤな顔をされ、実の娘の結婚式に出席したのにどこかそっけない母親アビー(デブラ・ウィンガー)…。姉の結婚にお祝いムードながら、どこか陰鬱なムードただようバックマン家。どこの家族にも思い出したくない過去の一つや二つはあるでしょうが、この家族の過去はかなりヘビーです。離婚した両親、薬物中毒の妹…、私は長子なので完全に姉レイチェルに感情移入。もちろんキムが背負った十字架はとてつもない大きさだけれど、いまいちキムの言動には同情出来ず…、ううむ。姉妹を描いた映画は数あれど、こんなに見ていてツライ姉妹はあんまり居なかったような気がします。母と娘は精神的にも肉体的にもガンガンぶつかり合えますが、父親とはそうもいかず。娘2人の間で右往左往するパパが、本当にかわいそう(でもそんな姿がちょっとカワイイ、ビル・アーウィン)。ホームビデオが差し込まれたり、ドキュメンタリーの様な印象を受ける撮り方がしてあったり、なんだか始めちょっと酔ってしまうような演出、と思ったら本作は普通のビデオカメラで撮られてるんだとか。なるほど、家族ゲンカのシーンではリアリティが増しているような気がします。再生しようとする壊れた家族のアンハッピーエンド(?)な映画ですが、終始タバコをふかし、目の下にクマを作ってキムを熱演したアン・ハサウェイの演技はそれなりに見物です。ただ、妙にインターナショナルなレイチェルの結婚式が謎。ダンナは黒人(トゥンデ・アデビンペ)なのに結婚式のスタイルはインド風(でもコレがカワイイ!)、花嫁衣装もサリー、そして出席者も多人種…。NYなどの大都市が舞台だったら、なんとなく分かるような気もしますがコネチカットなのにね。何を意図しているのでしょう?なんだかそっちばっかり気になってしまいました。(2009年公開作品/原題 Rachel Getting Married)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-06-10 23:58 | DRAMA
忠犬ハァティ公『HACHI 約束の犬』
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日本人から誰でも知ってるであろう渋谷の「ハチ公」の物語を原作にした『HACHI 約束の犬』を観ました。公開時のTVCMではリチャード・ギアの“HACHI”の発音に気を取られて、なんだか印象が薄くなっていたハチ役の秋田犬がものすごくカワイイ〜。ほとんど「円らな瞳の健気な秋田犬」のみの1時間半。でも、愛犬家しか観ないであろう映画だから(たぶん)それで良し。日本の山梨県のお寺から、なぜかアメリカの田舎町にオリエンタルな竹籠に入れて送られた1頭の秋田犬の子犬。ところが道中、宛名タグが取れ扉が開いてしまい駅で迷い犬に。そこに丁度、出張帰りの大学教授パーカー・ウィルソン(リチャード・ギア)が通りかかります。犬好きな教授は思わず子犬を抱き上げ、駅長(ジェイソン・アレクサンダー)の元に迷い犬が居たことを伝えますが、駅で預かる事は出来ないと断られてしぶしぶ自宅に連れて帰ります。妻のケイト(ジョアン・アレン)はイヤな顔をしますが、娘のアンディ(サラ・ローマー)とは仲良しに。パーカーは同僚のケン(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)から秋田犬のことを色々聞き、ますます子犬に情が移ってしまいます。そして、首輪に漢字の「八」と書かれていた事から子犬を「ハチ」と呼ぶ事に。パーカーが「ハチ」と楽しそうに戯れる姿を見たケイトは結局「ハチ」を飼うことを許し、「ハチ」は目出たくウィルソン家の一員となります。その後のお話は「ハチ公」とほぼ同じ。後半はひたすら待ち続ける「円らな瞳の健気な秋田犬」に涙涙涙です。観終わった後、愛犬を撫で回すこと間違い無し。映画ではフォレスト、レイラ、チーコという名前の3頭の秋田犬が「ハチ」を演じたんだとか。私は今までゴールデン・レトリバー、スプリンガー・スパニエル、ボストンテリア、そして今はフレンチ・ブルドッグと洋犬しか飼ったことが無かったのですが「和犬もかわいいなぁ。次に飼うなら和犬もいいなぁ。でも秋田犬は大き過ぎるから、柴犬かなぁ」とモクモクと妄想が広がりました。一言で言えば「犬バカ万歳」映画なので、犬があまり好きではない方にはお薦めしません。ちなみに中国語のタイトルは『忠犬小八』(なんだかかわいい…)。(2009年公開作品/原題 Hachiko: A Dog's Story)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-06-06 23:29 | DRAMA



主に「映画のおはなし」と時々「にがおえ」 Blah! Blah! Blah!
by aiko_kiz
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