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カテゴリ:DRAMA( 91 )
ブリーと息子のロードムービー『トランスアメリカ』
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自身もゲイであることをオープンにしているダンカン・タッカー監督が、同じくセクシュアルマイノリティである性同一性障害の男性を主人公にして描いた映画『トランスアメリカ』を観ました。主人公のブリーを演じたのはフェリシティ・ハフマン。「え〜!これがドラマ『デスパレートな妻たち』のリネットなの!?」と思ってしまうほど、ナチュラルに元男性を演じています。LAに住む性同一性障害のブリー(フェリシティ・ハフマン)。長い間、理解の無い家族、そして理解の無い社会に苦しんで来ました。整形手術やホルモンの投与で外見は女性らしくなりましたが、まだ体は完全に女性になれてはいません。しかし、念願叶って来週ついに性転換手術を受けることが出来る事に。そんなある日、NYの警察から「スタンレー(ブリーの男性名)の息子トビー(ケヴィン・ゼガーズ)が拘置所にいる」と電話があります。自分に子供が居るなんて全く知らなかったブリーですが、トビーの母親の名前を言われて思い当たる節が…。唯一の友人である精神科医のマーガレット(エリザベス・ペーニャ)に薦められてしかたなく、ブリーはNYにまでトビーに会いに行きます。身分を隠してトビーに近づいたブリーでしたが、NYで男娼として荒れた生活を送るトビーに驚き、「ポルノ映画に出たいからLAに行きたい(!)」というトビーの希望もあって2人は車でLAまで旅する事になります……。すごいのはフェリシティ・ハフマンの元男性だった女性の振る舞い。もう「喉仏」は無いのにも関わらずいつも首にスカーフを巻き、足を隠し、伏し目がちで自信の無い態度をとり、女性以上に女性らしい振る舞いに見えてしまうブリーを見事に演じています(フェリシティ・ハフマンはこの役で第78回アカデミー賞主演女優賞にノミネート)。この映画が描いているのは、性同一性障害で苦しんできた一人の中年元男性と、母親に自殺され継父からは性的虐待を受け苦しんできた一人の少年という、「自分らしく生きてこれなかった」2人の人間のおはなし。「性同一性障害」や「同性愛」といった扱っているものはシリアスですが、終始シリアスな訳では無く、しかたなくブリーの実家を訪れるシーンはユーモラスで笑えます(ブリーの母親のキャラクターは監督の母親そのものなんだとか…)。状況は違えど、共に「自分らしく生きれなかった」ブリーとトビー。いきなり家族にはなれなくてもラストシーンでは2人の間に友情の芽生えが感じられるし、手術後に胸を張って働くブリーの笑顔にホッとする、後味の良い映画です。どんな人間にも隠し事はあるのは当たり前。そして、世の中いろんな人がいるのも当たり前。(2006年公開作品/原題 Transamerica)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-02-25 23:16 | DRAMA
ココとボーイのラブストーリー『ココ・アヴァン・シャネル』
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女子の憧れメゾン「CHANEL」。その「CHANEL」の生みの親で、今や伝説となっているデザイナー、ガブリエル・"ココ"・シャネルの若き日を描いた『ココ・アヴァン・シャネル』をやっと観ました。原作は『エル』や『ヴォーグ』の元編集者のエドモンド・シャルル=ルーの同名小説「ココ・アヴァン・シャネル 上―愛とファッションの革命児」。幼くして母親を亡くし、父親にも捨てられ孤児院で育ったガブリエル(オドレイ・トトゥ)は姉アドリエンヌ(マリー・ジラン)と共に昼はお針子として、夜はナイトクラブの歌手として働いています。客は若い兵士たち、そこで人気の歌手となったガブリエルは"ココ"という愛称で親しまれます。夢は歌手としてパリで成功する事でしたが、そのナイトクラブで貴族出身の将校、バルザン(ブノワ・ポールヴールド)と出会い、愛人のひとりになることに。退役したバルザンを追って、田舎の豪華なバルザンの屋敷で生活を始めます。そこで出会ったのがバルザンの友人、イギリス人の実業家アーサー・"ボーイ"・カペル(アレッサンドロ・ニヴォラ)。彼はココのユニークさに魅かれ、非凡な才能を認め、そして、愛し合うようになります。ココの初めての帽子店をオープンするための資金の援助も。帽子店の経営は順調、ココのデザインは人気となり、デザイナーとしての成功は目の前だったある日、不幸な事件が起こります……。やっぱり、オドレイ・トトゥはニコニコしていた方が絶対にチャーミング。終始、煙草を吹かし、皮肉なセリフを吐き、質素(この頃はシックというよりも、まだ質素に見えちゃう)な服装で、暗い顔をしているココ役ではあんまりチャーミングに見えませんでした。ココもオドレイも好きなのに、なんだかこれはスゴク残念…。むっつり顔をしていても「絵になる」女優が演じた方が良かったのでは…?と思ってしまいました。女が男に頼らないで生きて行くには、あまりにも大変だったこの時代に、自分の信念を持ち、スタイルを持ち、それを貫き、自分の人生を生き抜いたココはカッコいいし、その姿勢には感銘を受けますが、なんだか映画としては物足りなく…。それからむしろ、自分が興味があったのは、「Coco avant Chanel」では無くて、「Coco ensuite Chanel(あってる?)」の方だったことに気が付き…。"before"じゃなくて"After"だった…。コルセットにこってり羽根つき帽子から女性を解放したココ。この時代の「コンサバなファッション」と、ココの「アバンギャルドなファッション」との対比を見せたいのは分かるけれど、コンサバなファッションをあまりに退屈に見せすぎでは…。当時のコンサバなファッションだって今見ればステキに見える要素もあっただろうに…。おまけに当時の「CHANEL」の作品が見られるのは、映画の最後の方のほんの少し。あんまり「ファッション」を楽しむ要素が無かった感じが、私としてはガッカリでした。そう、これは伝説のデザイナーの「悲恋のお話」だったんですよね…。そういった面では、"After"の方を描いた『シャネル&ストラヴィンスキー』の方が私にはずっと楽しめそう。こちらはカール・ラガーフェルドが衣装を担当しています。(2009年公開作品/原題 Coco avant Chanel)

星は2つ。★★☆☆☆

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by aiko_kiz | 2010-02-21 23:42 | DRAMA
家族って難しい『かいじゅうたちのいるところ』
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1963年に出版された世界的に有名な名作絵本、モーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」をスパイク・ジョーンズが映画化した『かいじゅうたちのいるところ』を観てきました。子供の頃に私も読んだことのある絵本(でも子供の頃のセンダック絵本の私のお気に入りは「こぐまのくまくん」)。原作の絵本はとてもシンプル。文字数もとても少ないものです。その行間をステキなイマジネーションで埋めたスパイク・ジョーンズはスゴイ。原作者のモーリス・センダックが出来上がった映画にとても満足しているらしいのにも納得です。8歳のマックス(マックス・レコーズ)はイライラを抱える男の子。両親は離婚し、ママ(キャサリン・キーナー)には新しい恋人(マーク・ラファロ)がおり、ティーンエイジャーの姉クレア(ペピタ・エメリッヒ)もマックスの相手をしてはくれません。そんなマックスはママに怒られて「夕飯抜きで部屋にいること」を言いつけられます。大暴れして家を飛び出したマックスは走って走って走って、船に乗り海を渡り「かいじゅうたちのいるところ」に辿り着きます。そして、マックスはそこで出会ったキャロル(声/ジェームズ・ギャンドルフィーニ)、KW(声/ローレン・アンブローズ)、ジュディス(声/キャサリン・オハラ)、アイラ(声/フォレスト・ウィテカー)、ダグラス(声/クリス・クーパー)、ザ・ブル(声/マイケル・ベリー・Jr. )の"かいじゅうたち"の王様になることに……。絵本の世界観そのままな7人の"かいじゅうたち"が表情豊かでホントにチャーミング。この"かいじゅうたち"は昔ながらの着ぐるみで撮影され、表情だけ後からCGで合成したんだとか。最近のブルーバックで録った映画と違い、そんな「手アカ感」に"やさしい"印象を受けます。温かい光や色彩、"かいじゅうたち"のリアルな毛並みや鼻水に監督のこだわりが感じられます。子供だからこその不満だとか、どこにぶつけたらいいのか分からない怒りだとか、大人の理不尽さだとか…もう大人になってしまった私には忘れかけていたものをちょっぴり思い出し、懐かしくもあり切なくもあり…。でも「絵本の世界観がここまで再現されてるのってスゴイ!」っていうのが一番の感想で、元の絵本を知らなかったり、子供の時に読んだ記憶が無い人には「大して面白くないかも…」というのが正直なところ。でも、やっぱり改めてスパイク・ジョーンズはステキな監督さんだと思いました。(2010年公開作品/原題 Where The Wild Things Are)

星は4つ。★★★★☆

※そうそう、この"かいじゅうたち"の着ぐるみ作ったのはジム・ヘンソン大先生のジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップなんだよね。

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by aiko_kiz | 2010-02-03 20:51 | DRAMA
とうもろこし畑で"魚のような名前"の少女に起こったこと『ラブリーボーン』
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(※ネタバレしてます)ピーター・ジャクソン監督、最新作『ラブリーボーン』を観てきました。原作はアリス・シーボルドの「ラブリー・ボーン」。この原作者は実際にレイプ被害に会った経験を持つ女性です。ピーター・ジャクソン監督らしいスケールの大きな"現世"と"あの世"の"間"のスピリチュアル満載な世界観や、本屋さんのショウウィンドウでの遊び心などが見られる、いろんな意味で美しい映画。でもちょっといろいろと「美化」し過ぎでは…と思ってしまったのは私だけ…? 14歳のスージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は父ジャック(マーク・ウォールバーグ)、母アビゲイル(レイチェル・ワイズ)、妹リンジー(ローズ・マクアイヴァー)、弟バックリー(クリスチャン・アシュデール)との仲良し5人家族。1973年の12月6日も、いつもと同じようにリンジーと学校に行きました。いつもと違ったのは、憧れの男の子レイ(リース・リッチー)にデートに誘われたこと。帰り道にご近所さんのジョージ・ハーヴイ(スタンリー・トゥッチ)に殺されたこと……。この映画はレイプされて殺害され、死体を放置されたスージーの視点でお話は進みます。悲しみでバラバラになりかける家族を見守り、自分を殺した犯人を見張るスージーが天国へ行くまで。個人的に1970年代のファッションが好きなので、とっ散らかった祖母役のスーザン・サランドンの衣装に注目。エミリオ・プッチ(たぶん)がカワイイ〜。それから、ここ最近、いいおじさん役で観る機会が多かった(?)スタンリー・トゥッチが増毛し、ねっとりとイヤラシく殺人犯を演じています。具体的なシーンが描かれておらず、そのせいか私にはスージーの無念さや犯人への憎悪がイマイチ(そういったシーンを観たい訳ではありませんが)。もちろん、スージーの憎悪が父親に伝わり、父親が暴挙に出ようとしたことで起こった事によってスージーは「犯人への憎悪を膨らませること」の無意味さに気がつくのですが…。「人間みんな死ぬのよ」と天国への案内役の少女ホリー(ニッキー・スーフー)は言いますが、そりゃそうだけどさぁ…。人間、死んだからと言ってあんなに物事を達観視できるものなのでしょうか? レイプされて殺され、死体を放置された少女たちの天国での笑顔になんだか「やるせなさ」を感じてしまいました。「家族愛」でガンガン押し進むストーリーに…、ラストシーンにも…(スージーの最後の望みが「キス」なのは美しいけど、この時期の女の子ってこんなに美しいだけじゃないはず)。犯人に天罰が下るよりも(もちろんそうあって欲しいけど)、「家族のために、まず"遺骨"が見つかって欲しい」と考えるのは、私が日本人だから? もうちょっとスージーと家族やレイとの橋渡し役になるのかと思った「ちょっとアリソン・デュボア」な同級生ルース(キャロリン・ダント)も、大した働きは見せず…。シアーシャ・ローナンは「今後の期待大!」な女優さんで、すっごくカワイかった!けれどもなんだかちょっと期待し過ぎて観てしまったみたいです。(2010年公開作品/原題 The Lovely Bones)

星は3つ。★★★☆☆

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by aiko_kiz | 2010-01-30 23:47 | DRAMA
人生ってそんなもの『イカとクジラ』
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『マーゴット・ウェディング』は好きになれませんでしたが、この映画はわりと好き。ノア・バームバック監督の『イカとクジラ』を観ました。崩壊して行く家族のお話…といっても、バッドエンディングな訳ではなく、関係修復不可な両親の元で逞しく(?)成長して行く兄弟に薄ら希望を感じるエンディング。作家のバーナード・バークマン(ジェフ・ダニエルズ)、ここ最近は新作を出版されることも無く、かなり落ちぶれた状態に。今や夫の影響で作家活動を始めた妻ジョーン(ローラ・リニー)の方が売れっ子になってしまい、夫婦関係にもヒビが入りつつあります。そんな夫婦の2人の息子、長男ウォルト・チキン(ジェシー・アイゼンバーグ)と次男フランク・ピクル(オーウェン・クライン/ケヴィン・クラインの息子なんだって)は両親の不仲を気にしながらも、「思春期」真っ盛りな毎日を送っています。ある日、両親が息子たちに別居することを告げたことから、「家族」がガラガラと音を立てて壊れて行きます…。このお話はノア・バームバック監督の実際に共に文筆家だった両親が離婚した実体験が元になっているんだとか(フランクの図書館での奇行も本当にあったエピソードらしい!)。1980年代という時代設定や、誰もが通る思春期の変な甘酸っぱさ、親への変な期待みたいなのを思い出して、懐かしくもあり、「大人になれて良かった」と思ってしまいました。「人物描写がすばらしい」と評価されている作品ですが、特に長男が両親の離婚に対して「何で自分にこんな事が怒るんだ!」っていう怒りや、「父親への憧れ」みたいな物が、ちょっとづつ別の何かに変化して行く過程がとても細やかでリアリティがあります。「親も所詮、人間だ」って思えた時に、子供は大人になり始めるのかもね。「イカとクジラ」のケンカには子供は関係ないのです。でも一番迷惑被るのは子供たちなんだよね。(2006年公開作品/原題 The Squid and the Whale)

星は4つ。★★★★☆

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by aiko_kiz | 2010-01-25 23:56 | DRAMA
ヒラメキを失った映画監督『8 1/2』
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フェデリコ・フェリーニ監督の自伝的な映画とも言われている『8 1/2(はっかにぶんのいち)』。3月には日本でも公開される映画『NINE』はこの映画をミュージカル化したもの。ロブ・マーシャルが監督した『NINE』は出演する豪華な女優陣(それとペネロペの開脚!)で公開前から話題になってましたよね(アメリカでの公開後の評判は…みたいですが)。そんなんで、元ネタ『8 1/2』も観てみましたが、さすがフェデリコ・フェリーニ、難解な映画です。ううむ。温泉地で治療中の映画監督グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)は新作を撮らねばいけない状況なのに、「ヒラメキ」を失い撮影を延期しています。プロデューサーなどから急かされながらも、いっこうに撮影を開始する気配無し。それどころか、愛人のカルラ(サンドラ・ミーロ)、妻のルイザ(アヌーク・エーメ)、ミューズのクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)、他人の愛人ロッセラ( ロッセラ・ファルク)、女優のマドレーヌ(マドレーヌ・ルボー)、浜辺に住む女サラギーナ(エドラ・ガーレ)に母親、それと幼少期の思い出…など多くの女性たちとの妄想と過去の記憶が入り乱れ……。というおはなし。ストーリーは大まかにしかないし、監督の意図はほとんど汲めてはいないと思いますが、映像的に観て、シーンシーンはやっぱりカッコいい。訳は分からないのですが、嫌いにはなれない映画でした。たぶん、フェリーニの頭の中はこんなんなんだろうなぁ。「俺ってこんな女好きで、こんな人間なの!」と男に胸を張って言われたら、女は「あぁ、そうですか…」って言うしかないのかしら。普通の人なら"もやもや"と頭の中にあるものを、こんなに上手くアウトプットできない訳なので、やっぱり「映像の魔術師」は違います。ちなみに『NINE』ではグイドをダニエル・デイ=ルイス、グイドの周りの女性たちは、愛人のカルラをペネロペ・クルス、妻ルイザをマリオン・コティヤール、ミューズのクラウディアをニコール・キッドマン(クラウディア・カルディナーレと比べると…)、浜辺に住む女サラギーナをファーギー、グイドの母親をソフィア・ローレン、プロデューサー衣装デザイナーをジュディ・デンチが演じ、『8 1/2』には無いオリジナルの役でファッション誌の記者のステファニーをケイト・ハドソンが出演。それにしても、グイドの嫁の眼鏡っこルイザを演じたアヌーク・エーメってペネロペ・クルスに雰囲気が似ていると思いませんか。私はペネロペ・クルスとマリオン・コティヤールのキャストは逆にしたほうが、オリジナルには似てるのにな。と思いました。ペネロペが愛人役って、なんだか期待通りだしね。貞淑なペネロペと奔放なマリオンが観たかったな。(1965年公開作品/原題 Otto e mezzo)

星は3つ。★★★☆☆

※2つを見比べ>>>
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by aiko_kiz | 2010-01-13 23:18 | DRAMA
料理で救われた2人の女性『ジュリー&ジュリア』
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2人の女性の実話を描いた『ジュリー&ジュリア』を観てきました。1960年代以降に活躍した料理研究家のジュリア・チャイルドと、そのジュリアの書いた本に載っているレシピを料理するBLOGを始めたジュリー・パウエル。そのジュリー・パウエルのBLOG本「ジュリー&ジュリア」を原作にした映画です。1949年、大使館で仕事をしている夫、ポール(スタンリー・トゥッチ)の仕事の都合でパリへ移り住んだジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)。大柄で朗らかなジュリアがパリでハマったのが「フランス料理」!男性ばかりの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」に入学し、持ち前の明るさとガッツで料理を学びます。そして、パリで知り合った友人たちと「アメリカ人のためのフランス料理の本」の執筆を始めます。その50年後、編集者の夫エリック(クリス・メッシーナ)と共にNY・ブルックリンのピザ屋の2階に引っ越して来たジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)。作家になるという夢を諦め、自分の人生に迷いを感じているアラサー女性。料理の好きなジュリーは夫のアドバイスでBLOGを開設、1年間をかけてジュリアの524のレシピを再現することを決意します…という、良い夫を持ち、料理を愛し料理に救われた…という共通点を持つ2人の女性の生活を時代と空間を越えて結んだストーリー。とことん前向きで楽しいジュリア(ちょっとメリル・ストリープの器用さが"鼻に付く"ところも)、夫に当たり散らしながらもがんばるジュリー(共感できるコネタ多数)のキャラクター、2人の作る美味しそうな料理たちが魅力的。お腹が「グーグー」鳴ります。この手の女性のための共感型「がんばれ私!」的映画はいくらでもありますが、この映画は結構な良品だと思います。料理で救われる女性を描いた映画は『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』などがあるし、時代の違う女性を描いたものは『めぐりあう時間たち』などがありますが、この映画はこの2つの"美味しいとこ"取りかも。唯一、メリル・ストリープとスタンリー・トゥッチのラブシーンだけがキツかった…。料理と仕事のやる気が出る、笑えて、ホンワリ〜、いい匂いの映画です。ヘルシー志向の現代人が高カロリーなジュリアのレシピを作りたくなったのも納得。Bon Appetit!!(2010年公開作品/原題 Julie & Julia)

星は3つ。★★★☆☆

※実際の2人>>>
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by aiko_kiz | 2010-01-13 23:10 | DRAMA
"希望"を捨てなかった男『ショーシャンクの空に』
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恥ずかしながら、今までちゃんと観ていなかった『ショーシャンクの空に』。なんとな〜くラストシーンの記憶があるので、観たのかも知れませんが記憶に無かったのでちゃんと観ました。えぇ話しやねぇ…。1947年、妻とその愛人の身に覚えの無い殺人罪で終身刑になったアンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)はショーシャンク刑務所に入る事になります。そこは悪徳所長(ボブ・ガントン)が牛耳る世界。元銀行員で副頭取まで務めたアンディは周りから浮いた存在に。そんな中、ツライ思いをしながらも同じく殺人罪で服役中のレッド(モーガン・フリーマン)と少しずつ友情を育み、「心にあるものを秘めながら」自分の居場所をみつけ始めます……。モーガン・フリーマンの渋い声のナレーションで進むストーリー(いやぁ、いい声だねぇ)。冤罪で20年近くも服役しながら「希望を持つ」事を諦めないアンディと「希望を持つ」事の危険を説くレッドの友情、そんなレッドも最後には「希望を持つ」ように。男の友情っていいねぇ。観終わった後に「スッキリ」前向き気分になれる映画は定期的に観ると精神衛生上いいですね。そしてここでも、リタ・ヘイワースの『ギルダ』が登場(原作のタイトルは「刑務所のリタ・ヘーワース」)。この映画、映画によく出てきますね。それにしても、スティーヴン・キングの原作映画って本当に不思議。『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』みたいな傑作もあるのに、『シークレット ウインドウ』みたいなのもねぇ…ごにょごにょごにょ。Hope is a good thing...(1995年公開作品/原題 The Shawshank Redemption)

星は4つ。★★★★☆

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by aiko_kiz | 2010-01-08 23:23 | DRAMA
絵画の世界!『真珠の耳飾りの少女』
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フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女/青いターバンの少女」からインスパイアされてできた映画『真珠の耳飾りの少女』。映画全体が、淡い色調に柔らかい光…まるでフェルメールの絵画の世界観そのままの美しい映像。繊細な陰影に映える白い肌のスカーレット・ヨハンソンの美しさは…ズルい!と思うほど。1665年、オランダのデルフト。タイル職人の娘グリート(スカーレット・ヨハンソン)は、父親が事故で視力を失い仕事が出来なくなった為に奉公へ出されます。使用人としての働き先は画家ヤン・フェルメール(コリン・ファース)の家。フェルメール家には6人目の子供を身ごもり臨月の妻カテリーナ(エッシー・デイヴィス)とそのカテリーナの支配的な母親マーリア(ジュディ・パーフィット)、そして5人の子どもたち。一見、裕福に見えるフェルメール家ですが、手の遅いヤンのせいで家計は火の車。マーリアは一枚でも多くの絵の注文をパトロンであるファン・ライフェン(トム・ウィルキンソン)から取り付けようと必死です。ヤンは若い使用人の娘を絵のモデルにし、おまけにその娘を孕ませた前科があり、カテリーナは初めからグリートに辛く当たります。しかし、グリートに美術的な目があると気がついたヤンは自分の助手として、アトリエでの制作を手伝わせるように。そんな、父親とグリートの関係に気がついたヤンの娘の一人コーネリア(アラキーナ・マン)はグリートに意地悪をし始め、カテリーナは夫がアトリエでの作業をグリートに手伝わせるのが気に入らなく、早くヤンに絵を描かせたいライフェンは汚い手を…そして、グリートをモデルにヤンが絵を描き始めたことで、カテリーナの嫉妬は頂点に達します……。ヤンとグリートの間に恋愛感情があったのかなぁ…と考えると、それは無かったのでは? と思えます。ヤンはグリートが「初めて自分の絵を本当に理解してくれる女性」だったことで同志愛を、グリートは「美しい絵画を描く画家」を尊敬していただけだったのでは。でも、そういう感情って本人たちでも恋愛感情と混同しがちな気がします。でも画家の妻としては夫に浮気されるよりも、夫が他の女性を美しく描いてそれが名画だったりした方がツライかもなぁ…(自分はいつも妊娠中だしさ)。それにしても、この時代の画家って絵の具から作っていたんですね。油絵の絵の具って美術予備校時代に「○○色で人が殺せるらしいよ〜」なんて話しをよく聞きましたが、殺人とまで行かずとも今でも体に悪い毒性のものはある訳だし、自分で絵の具作ってたら寿命は縮まるよね(ちなみにフェルメールは事故で43歳没)。フェルメールの経歴はあまり詳しく分かっていないようで、もちろんこの映画は殆どフィクション。それでも、あの名画のモデルはスカーレット・ヨハンソンだったのでは!?と思ってしまうような説得力があります。おまけに、この映画でのスカーレット・ヨハンソンはスゴク美しい〜(また頭巾なんか被って、露出度が激しく控えめなのが逆にセクシー)。映画の中ではかなりの子だくさんだったフェルメール夫妻ですが(7人目を妊娠したところまで描かれていました)、なんと!実際にフェルメールは子供が14人もいたそう(4人は死亡)。びっくり。そういえば、フェルメールの娘の役で『ナルニア国物語』シリーズの長女スーザン役のアナ・ポップルウェルも出てました。(2004年公開作品/原題 Girl with a Pearl Earring)

星は4つ。★★★★☆(スカーレット・ヨハンソンの美しさに★ひとつ+)

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by aiko_kiz | 2010-01-07 23:55 | DRAMA
男に翻弄される姉妹『欲望という名の電車』
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ヴィヴィアン・リーが2度目のアカデミー主演女優賞を受賞した『欲望という名の電車』。男に頼らずに生きて行くには厳しかった時代のある姉妹のおはなし。この時代の映画に多いブロードウェイで上映された舞台の映画化です。ニューオーリンズの下町に住む妹ステラ(キム・ハンター)を訪ねて来た高校教師のブランチ(ヴィヴィアン・リー)。元々、姉妹は大農園の名家の出身。実家を姉ブランチに預けて家を出たステラは、今では結婚し下町の狭いアパートに夫スタンリー(マーロン・ブランド)と住んでいます。下町の生活に慣れたステラと違って、ブランチの振る舞いはどこでも芝居がかった令嬢気取り。そんなプライドの高いブランチと粗野で下品なスタンリーとは全くソリが合いません。スタンリーは腫れ物にさわるような態度で姉に接し、自分よりも姉を優先するステラにもイライラ。初めは休暇で遊びにステラの家にやって来たと思われたブランチでしたが、実は財産を食い潰して家を売り、滞在していたホテルを追い出され、生徒に手を出して勤めていた高校をクビになったことが発覚…。ボロが出始めたブランチに鬱憤たまったスタンリーは罵詈雑言を浴びせたことで、ブランチの精神は異常をきたしはじめ……。男に頼ることしか生きて行く術を知らず、見知らぬ男たちに身を任せた姉ブランチと、何度暴力を振るわれても後に泣いて許しを請う夫の元に戻る妹ステラ…。ただ幸せになりたかっただけなのにね。とても切ない姉妹です。『サンセット大通り』もそうでしたがこの時代、没落した未婚で年増の女性にちょっとキビシ過ぎる(今では「年増」って言葉も死語になりつつあるのにね)。 眉間にシワを寄せ、芝居がかったことを口走り、焦点の合わない宙を見つめるようなブランチを演じるヴィヴィアン・リーの迫力はスゴイ。鬼気迫るものが…と思ったらこの時、ヴィヴィアン・リー自身も肺結核と躁鬱病に悩まされていたみたいです。この映画の演技でオスカーを獲り、女優としても名声をまた高めたヴィヴィアン・リーでしたがその後の人生は、病気の悪化→映画の降板→2度の流産→入退院の繰り返し→そんな中でも男癖悪→当時の夫ローレンス・オリビエと離婚→ひとりで闘病→酒と睡眠薬と精神を病んで→孤独死(順番ちょっと違うかも)。と、哀れなブランチを地で行くような人生。この時代のハリウッドスターって現代のスターより過酷な人生送っている人が多い…。ブランカが歌う「It's Only a Paper Moon」が印象的でした。(1952年公開作品/原題 A Streetcar Named Desire)

星は4つ。★★★★☆

P.S. ニューオーリンズには本当に「Desire/欲望」や「Elysian Fields/極楽」っていう通りがあるんだって。

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by aiko_kiz | 2010-01-06 23:59 | DRAMA



主に「映画のおはなし」と時々「にがおえ」 Blah! Blah! Blah!
by aiko_kiz
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